前:年越し宗谷2017 往路1

3日目
2016年12月27日 07時 <苫小牧 自遊空間>


苫小牧市、朝

 たとえ雪の降る季節であろうと苫小牧の朝は早い。というか平日か。通勤する車にまみれて、ゆっくりゆっくりと北へ進路をとる。苫小牧市街の路面状況は極めて良好で、大して苦では無かった。

すき家で腹ごしらえして国道36号で千歳を目指す。道中、この年越し宗谷アタックの中で最凶のアイスバーンが俺とカブを襲う(写真なし)。
この時、最高速度は25km/hほどだった。




2016年12月27日 11時30分 <千歳 ホーマック住吉店>

 電装系の整備に際し、旧来のカブと同様の配線だと勘違いしており整備ができていなかったためYellowHat等をまわってカプラーを探す。しかしどの店にも目的のカプラーがなかったため、インターネッツで検索したJA07の回路図を元にキーオン電源を取り出しギボシ結線でサブライト点灯回路を構築する。

サブライト点灯
これで夜も安心だ。

 昼飯はセコマのきつねうどん、ザンタレおにぎり。紀州梅おにぎりも買ったが保存用にした。




2016年12月27日 13時05分 <千歳-岩見沢 国道337号>

国道337号線にて、転倒

 北海道に来て初めての転倒・・・だったと思う。アスファルトが一部むき出しになったタイプの路面で、40km/hほどで走行中に前方の圧雪路面に乗り上げた瞬間、左側の路肩の雪に倒れ込んだ。怪我なし。




2016年12月27日 17時50分 <奈井江 セイコーマート>

奈井江のセイコーマート

 日本一長い直線国道区間がある国道12号は全面がブラックアイスバーンであった。日が沈み、気温が下がるに連れ路面が硬くなってゆくのがわかる。写真は17時50分時点の空。完全な闇であった。

みるみるうちに冷たくなるセコマの豚丼と缶コーヒーハウスヤルビ奈井江の軒下でテントを張る

 セイコーマートで豚丼と缶コーヒーを購入し、道の駅・ハウスヤルビ奈井江へ逃げ込む。残念なことに24時間休憩スペースはない。
18時時点での気温は既に氷点下6.9℃で、初日のオスパ横のセコマで食べたパスタの比ではないスピードで食物が冷たくなってゆく。食べ終わる頃には冷蔵庫で冷まされた昨晩のおかずのような冷たさになっていた。純粋に悲しい。

19時、軒下にテントを張る。就寝時間の記録なし。






4日目
2016年12月28日 05時40分 <奈井江 道の駅ハウスヤルビ奈井江>

 寒さで何回も目が覚めた。ここで衝撃の告白であるが、俺は夏用シュラフを2枚重ね+シュラフカバーでビバーグしていることを書き記そう。一枚はモンベルのダウンハガー#3で、もう一枚はコールマンのペラッペラ封筒型シュラフだ。おまけにシュラフカバーは透湿素材ではない。

 寒い日には布団から出たくなくなるのが世の常であるが、この日はそんな生暖かいものではなくて「出たら死ぬ」というような直感が俺をしばらくシュラフに留めた。
確か枕元に昨日の昼に買ったおにぎりを置いておいたはずだと思い、手にとってみるとそれは既におにぎりではなくなっていて、ちょっと栄養のある氷の塊になっていた


氷菓と化した紀州梅おにぎり
ちょっと栄養のある氷の塊氏。

 冗談じゃねえ、俺は冬の北海道を舐めていたんだ!おまけに持病の偏頭痛が襲ってきやがった・・・チクショウ!!
とりあえず頓服薬を服用し、トイレの前室(暖房が効いているが寝れるような広さではない)に避難する。ブッ飛ぶほどの強烈な頭痛と吐き気。いつものことだが旅中に発作が起こるのは勘弁だ。

朝焼けの樺戸山地
無情にも北海道は最高の景色を用意していた。

-17℃
「-17℃」

 千歳のホーマックで取り付けた温度計を確認すると氷点下17℃を指していた。冬の北海道はこれが初めての経験だが、これが北海道の日常なのだろう。しかしこの気温ではさすがに夏用シュラフは現界だったか。

道の駅・ハウスヤルビ奈井江サンドイッチとアクエリアス

 強烈な頭痛と共に道の駅・ハウスヤルビ奈井江を後にする。国道12号沿いのローソンでサンドイッチとアクエリアスで朝食をとると頓服薬が効いてきたのか痛みがすっかりと消えてしまった。ひょーサイコー!




2016年12月28日 08時50分 <道道283号線付近>

道道283号より望む樺戸山地カブと樺戸山地

青い空と、白い雪。
茫洋とした雪の大地を駆ける一台のちっぽけな存在―――。

あぁ、この感じ・・・、この感じこそ俺たちが不便で不安定な2輪の鉄馬を駆る理由―――。
言葉では決して表しきれないこの「何か」を感じるために、俺達はバイクという乗り物に取り憑かれてしまったんだ。




2016年12月28日 09時30分 <新十津川駅>

 昨日の夕刻、Twitterで北海道に来ていると言う知り合いと少しやり取りをして、どこかで落ち会う約束をしていた。彼らは昨日の寝床を新十津川駅と決めていたようで、ハウスヤルビ奈井江から極めて近い距離だったので既に出発している可能性も考えながら寄り道してみることにした。

新十津川駅にて
どうやらまだ出発していないようだ。

話によると、自分と同型のスーパーカブ110のエンジンが掛からないようだ。ピストンの首振り、オイル上がりが若干あるそうだが果たしてエンジンが掛からないのと関係性はあるのだろうか。
氏はメカニックにもある程度知見があるため、レッグシールドを外してプラグを確認したりしてみるのだがガソリンでビチャビチャになっていた。どうやらECUの低温補正と始動時の大量噴射でプラグが完全に被ってしまったようだ。

整備するじゅえる氏
整備するじゅえる氏。
冬の大地に郵政箱なんて付けてきてよく運転できるもんだ(笑)

一日一本の気動車
一日一本だけ発着する気動車を見送る。
あと何回この景色を見れるのだろうか。

カブ・パーティ

結局10時を回ってからエンジンが始動し、その間他のメンバーとの交流を深めた。
上の写真は左からJA07プロの「はらちゃん」、JA07の「じゅえる」氏、C90カスタムの「れんくん」、JA07の自分。全員カブ。




2016年12月28日 13時00分 <道の駅・ライスランドふかがわ>

 新十津川駅より、カブ・パーティに加わって北を目指す。先頭がれんくんであとはマチマチ。
そういや、れんくんが舞鶴から小樽行きフェリーに乗る前に国道27号で出会っていたことを思い出した。ヘッドライトが寒色系LEDだから分かりやすいのだ。

ライスランドふかがわ前の国道12号線

道の駅・ライスランドふかがわで休憩。ここまでの路面状況は極めて良好で、また気温も高いため気持ちの良いライドが続く。

ホクレンにてリトルカブ
隣のガソリンスタンド(ホクレン)で。
やはり冬の北海道にカブは人気だ。




2016年12月28日 15時50分 <旭川 イオンモール旭川>

国道12号線 神居古潭付近
国道12号 神居古潭付近

国道12号を北上し、旭川で一旦休憩する。道中、神居古潭の付近がかなりのアイスバーンだった気がする。やはり神が居るのだろうか。

イオンモール旭川の駐輪場。入れない。
イオンモールの駐輪場。レッグシールドやエンジンが腹打ちして入れない。

フードコートにて
それぞれの夕食をとる。

 イオンモールで休憩中、新たな年越し宗谷仲間がやってくる。JA07プロの「のっつー」。僕以外の3人は既に札幌で出会っていたようだが、どうやらアウトドアジャンキーな人物のようだ。

食事後、それぞれの冬の北海道の走り方や装備について語り合った。『転びにくい速度域、転びやすい速度域』、『寒冷地におけるスマートフォンの充電』、『スノーブーツ』、『テントとシュラフ』・・・。
中でも、インジェクション車であるJA07よりもキャブ車のC90カスタムのほうが燃費が良いという話がとても興味深かった。JA07はECUの気温補正の賜物か35km/Lほどで、C90カスタムは40~45km/Lほどスコアがあるようだ。始動もさほど困難しないらしい。
あとは『ハクキンカイロ』の有用性。実際にハクキンカイロ所持者に触らせて貰ったがなんと暖かいのだろう。というか熱い。通常の使い捨てカイロでは氷点下の外気に晒された状態で開封しても加熱反応が始まらず、一旦室内で開封/加熱した後に使用する必要があったのだが、そのような手間をかけても雀の涙程度の暖しか確保できない。それに比べ、気化したベンジンと白金の触媒作用で動作するハクキンカイロは何度も使用でき発火する恐れもなく最高の暖かさを12h維持できるのだ。買おう。

 今日1日4人で走ってみて、やはり個々人の走り方の違いや是とする速度域の違いによりペースを合わせるのが至難であったり疲労を増大させることがわかった。なので翌日からはパーティを組まないことで合意し、じゅえる氏、はらちゃん、のっつーの3人は国道39号沿いの道の駅・とうままでビバーク、れんくんと自分は旭川の快活クラブで寝床を確保することとなった。




2016年12月28日 20時10分 <旭川 快活クラブ>

ハクキンカイロ購入快活クラブ

 旭川市街のホーマックでハクキンカイロとベンジンを購入し、道道90号線沿いの快活クラブへ。北海道でなければホームセンターに売っていなかったかもしれない。

なお、やはり市街地は圧雪の状況が悪い。